滋賀の建築家からのメッセージ

403 architectureの大学時代の先輩でもあり、デンマークの建築事務所BIGへ就職後、現在は帰国し地元の滋賀県で建築設計事務所・PLAY 建築都市人間デザイン研究所を主宰されている青木健氏からメッセージを頂きました。御覧下さい。

                                                                                              • -

浜松建築会議実行委員会さま

どうも横浜国立大学出身の青木です。
浜松建築会議のワークショップに関して思うところがいくつかあったので、一応送らせてもらいます。
すでに議論済み、対応済み、的外れならスルーしてもらって構わないのでとりあえず目を通してみてください。

1.時間的、空間的に大きなスケールでのリサーチ
商店街の空室だけの話ではなく、空室がうまれた背景(時間軸)、原因(郊外化?→マッピング、利用状況など)、中心市街地の再活性化の必要性、可能性(城中心<城下町>→駅中心<駅前商店街>→郊外<商業>、駅前<文化>の多極化??)を、ショッピングモール(否定ではなく共生)、高齢化、環境問題といったコンテクストの中で説明するほうがよい?

2.地方都市としての浜松の凡庸性
地方都市再生のロールモデルとしての可能性を示すなら、どういった点が凡庸なのか、どうすれば他の地方都市でも展開可能なのかを、人口、都市構造(交通、郊外化、公共施設、大学など)で示す必要性?郊外の状況の均質さは、ひとつロールモデルを示せれば、一気に展開される可能性がある??

3.インスタレーションが今後も自動継続、発展させていくためのシステム
みんなのにわ/represent_gardenを今回だけで終わらせるのではなく、今後も継続させ、街の再活性化を目指すなら、生成力の強いシステム(環境)をつくる必要性。展示期間、入れ替わり、評価のシステム(毎年優秀な作品は横浜トリエンナーレ、越後芸術祭、瀬戸内芸術祭などに出展するためのサポートを市がするとか??あの規模のイベントの受け皿を準備するにはコストと時間、リスクがかかりすぎるから、そうではなくて浜松をアートの生産地として発信していく?)など


こんな直前になってしまって申し訳ないけど、今回のイベントの成功を願ってる者として、上記の項目は考慮されるべきだと思います。
プレゼンの準備の時間がなければ、口頭でさらっと触れるだけでも変わってくると思います。

どちらにしても、沢山のひとを巻き込み、関心をもたせ、実際に動かした今回のイベントからは僕自身学ぶべきところがたくさんあると思っているので、当日楽しみにしてます。

                                                                                              • -

青木健
あおき・けん
滋賀県大津市生まれ
2007 横浜国立大学建築学コース 卒業
2009 YGSA 卒業
2008‐2010 Bjarke Ingels Group/Copenhagen
2010- PLAY 建築都市人間デザイン研究所 主宰

@kenaoki http://twitter.com/kenaoki